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米澤穂信「いまさら翼といわれても」読書感想文

先日発売された米澤穂信先生の小説「いまさら翼とよばれても」を読み切った。

発売日に近所の本屋へ行くも店頭には無かったためアマゾンで購入。購入してから一気に読み切った。

本作は「古典部シリーズ」の第6作目。1作目の発売からすでに15年経っており、前作「ふたりの距離の概算」発売からすでに4年以上が経っているためファン待望の新作であった。

さて、以下はネタバレになるため未読の方はスルーして頂きたい。 本作は全6篇の短編集で、時系列は多少前後するが主に奉太郎が2年生になってからの話が中心となっている。また、視点が奉太郎だったり摩耶花だったり時間が前後するため、最初の何行か読み進めなければ視点と時間が定まらないようになっている。

1.箱の中の欠落
奉太郎たちが2年生に進級してしばらくしてからの話。不正操作された生徒会選挙の謎に奉太郎と里志が挑む。

相変わらず米澤先生は上手いなぁと思うのは、奉太郎の思考の後を読者がたどり、最後にトリックを突き止める直前で読者がトリックがわかるように順番にヒントを仕掛けている点。最後は奉太郎と一緒に「なぜ、里志は気付かないのか」と思わせてくれる。

そしてもう一つ素敵だと思ったのは、あえてこの事件の犯人と犯行動機を書かずに終わった点。奉太郎と里志にとって、誰が犯人でどのような動機があったのかはどうでもいいのだ。大事なのは冤罪となっていた下級生を救い、選挙制度の不備を明らかにしたこと。だから、犯人と動機特定はやらなくていいことなのでやらない。

2.鏡には映らない
摩耶花視点の話。この話は読者が最後まで読まないと物語の核心にたどりつけないので、トリックを気にせず安心して読める。

米澤先生は摩耶花視点が書きやすいのだろうか。

3.連峰は晴れているか
この話はすでにアニメ化されているので内容は知っていた。奉太郎1年生の時。

4.わたしたちの伝説の一冊
全6話の中で、この話が最も興味をひいた。冒頭のメロスの話が秀逸で、メロスの感想文があまりによくできていたので、それが伏線だと気付かなかった。河内先輩も何度か登場していたのに、最後の摩耶花と河内先輩の展開は全く予想していなかった。そして何より、この局面で「夕べには骸に」を引っ張り出してくるとは!!!何年越しの何とかってやつですか!!!奉太郎が脅迫して氷菓を無理やり生徒会に買わせた推理劇がよみがえってきた。もっとも、河内先輩と麻耶花はそんなこと知らない。「夕べには骸に」という同人マンガは、人によって全く違う思い出アイテムと言える。

米澤先生は漫研の女子独特な派閥争いを描くのが得意みたいですが、何か学生時代に体験なさっているのでしょうか・・・

5.長い休日
奉太郎とえるのイチャラブ回。もしや掃除対象となった荒楠神社って、オレが写真を撮ったあの祠ではないか。。。

6.いまさら翼といわれても
ラストシーンは何とも救えないというか、その後が気になる終わり方だった。

シリーズを貫くテーマ、子供から大人への成長。千反田家の跡取りという立場を唐突に取り払われ、言いようのない不安に襲われていたえるたそ。

わたし、続きが気になります。


ところで、米澤先生は戦国時代好きと見受ける。「風雲急、小谷城」と小豆袋の話もさることながら、モブキャラの名前に戦国武将名が多いことにお気づきだろうか。ぜひ一度、日本酒でも飲みながら話をしてみたい。
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